2025年6月5日。ついに発売されたNintendo Switch 2と同時に登場したのが、今回話題にする『マリオカート ワールド』です。シリーズとしては『マリオカート8 デラックス』以来、約8年ぶりとなる完全新作。しかも、ただの続編ではなく、“新時代のマリオカート”とでも言いたくなるほどの大幅な進化を遂げたタイトルなんですね。

ローンチタイトルとしての注目度はもとより、その内容自体が圧倒的。レビューサイトやSNSでは発売直後から「神ゲー確定」と評され、ファンの間でも“このゲームのためにSwitch 2を買った”という声が続出しています。長年マリオカートシリーズを追い続けてきたプレイヤーにとっても、今回の『ワールド』はまさに予想を超える仕上がりになっていると感じさせる、そんな一本になっていました。

ここでは、その魅力が一体どこにあるのか。どんな進化を遂げたのか。そして、実際にプレイしたユーザーや各メディアの評価はどうだったのか。ひとつずつ丁寧に見ていきたいと思います。

マリオカート ワールド -Switch2(Amazon)

評価爆上がり!各メディアのレビューまとめ

そんな『マリオカート ワールド』ですが、実際の評価がどうだったのかという点も気になりますよね。結論から先に言ってしまうと、非常に高く評価されています。メディアによって多少の温度差はあるものの、全体的に“シリーズ史上最高クラス”という扱いを受けているんです。

たとえば、レビュー集約サイトMetacriticではリリース直後の時点で91点を記録。これは単なる好評価ではなく、明確に“名作”と呼ばれるラインに到達しているスコアです。日本の大手ゲームメディアも同様で、Game8は100点満点中91点、GameWithでは10点満点中9点という数字を出しています。こうした数字だけを見ても、単なる続編という枠を超えて、完全にSwitch 2の顔とも言える存在になっていることが伝わってきます。

もちろん、レビューの中には「隠しキャラが少ない」「ポストゲームのやり込み要素が薄い」といった指摘も見られました。でもそれ以上に、「プレイフィールが滑らか」「世界観の表現が圧倒的」「音と映像が極上のバランスで調和している」など、肯定的な意見が圧倒的に多かったのが印象的です。

しかも、そうしたレビューのほとんどが“Switch 2の性能をフルに活かしている”という点にも触れていて、単にゲーム内容が良いという話にとどまらず、「これは次世代のマリオカート体験なんだ」と感じさせられる一因になっていました。数字と実感、その両方で確かな評価を勝ち取った『マリオカート ワールド』。ここからさらに、どんな部分が革新的だったのかを掘り下げていきたいと思います。

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新モード「フリーラン」で広がる自由な冒険

レビュー評価が高い理由の一つとして、多くのプレイヤーが口をそろえて挙げているのが、新たに追加されたモード「フリーラン」の存在です。このモード、本当に驚きます。これまでのマリオカートといえば、決められたコースを何周かして順位を競うというスタイルが定番でしたよね。でも『マリオカート ワールド』のフリーランは、そんな常識を軽やかに飛び越えてきたんです。

まず注目すべきは、その“自由度の高さ”。スタート地点があるにはあるのですが、基本的には「好きな方向に走ってOK」というルールなんです。しかも、コースという概念すら半ば無視されていて、街中に入り込んだり、レース中では封鎖されていた道を通れたり、さらには水の中すら自由に突っ込めるんですよ。しかも、ロード時間もマップ切り替えもなし。この感覚、プレイしてみると本当に感動します。

加えて、フリーランの世界には「Pスイッチ」や「隠しルート」、「収集アイテム」などの仕掛けが無数に散りばめられていて、レースという枠を外れた遊び方がいくらでも広がっていくんです。ただ走っているだけなのに、ふとした瞬間に謎の建物を見つけて入ってみたら隠しミッションが始まったりして、「あ、これマリオカートだけど、ちょっとしたRPGっぽさもあるな」と感じさせてくれる。そんなゲーム体験が可能になっています。

シリーズ経験者であればあるほど、「ここまで変えてきたのか」と唸らされる要素ですし、逆に初心者にとっては「まずは自由に遊んで感覚をつかんでからレースに挑む」という入り口としても機能するのが面白いところ。とにかく、何から何まで“縛りのないマリオカート”という雰囲気が強くて、新たな遊び方を探すワクワクが止まらなくなります。ここまで自由度の高いモードが追加されたのは、シリーズの歴史を振り返っても初めてと言って差し支えないと思います。

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「ノックアウトツアー」はレース版バトロワ!?

そしてもう一つ、多くのプレイヤーを虜にしているのが、こちらも新たに追加されたモード「ノックアウトツアー」です。この名前だけでも、ちょっと普通のレースとは雰囲気が違うな、と感じるかもしれませんが、実際に遊んでみると想像以上の緊張感に包まれます。まさに、“レース版バトルロイヤル”という言葉がピッタリなんです。

基本的なルールはシンプルで、複数のレースを順番にプレイしていく形式になっていて、その都度、成績の悪かったプレイヤーが一定数脱落していく仕組みになっています。最初は24人、そこから1レースごとにふるいにかけられていって、最終的に最後まで残った1人だけが勝者になる。この流れが非常にスリリングで、常に“生き残らなきゃいけない”という緊張感が漂ってるんですね。

しかも、このモードには普通のグランプリにはない“駆け引き”が求められます。たとえば、無理して1位を取ろうとするより、着実に上位に入り込む立ち回りのほうが重要になったり、アイテムの使い方ひとつで生死を分ける場面も多くなってくる。プレイヤーの心理的な駆け引きや判断力が試される、まさに“戦うマリオカート”と呼びたくなるような内容になっているんです。

また、これは個人的に強く感じたことですが、ノックアウトされる瞬間の演出も含めて、ゲーム全体に“ドラマ性”があるのも魅力の一つでした。特にマルチプレイで友人と遊んでいると、「あ、ここで脱落しちゃうのか!」とか「えっ、まだ生き残ってたの!?」みたいな盛り上がりが自然に生まれる。こうした体験は、従来のマリオカートではなかなか味わえなかった部分です。

単なる“新モード”という域を超えて、遊び方そのものに新しい軸を加えてきたノックアウトツアー。これが追加されたことによって、マリオカートというゲームの楽しみ方が一段と広がったことは間違いありません。シリーズを知っている人ほど、こうした新しいアプローチにワクワクさせられると思います。

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新アクションがレースを進化させる

ここまで紹介してきた新モードだけでも十分にインパクトがあるんですが、『マリオカート ワールド』が本気で“シリーズ最大級の進化”と呼ばれている理由は、それだけじゃ終わらないんですよ。むしろ、それを支えているのが、今回新たに追加された多彩なアクション要素だったりします。これがまた、実際に触れてみると分かるんですが、従来のレースの感覚をガラッと変えてくるんです。

まず一番分かりやすいのが「壁走行」と「レールグラインド」。これまでにも多少の立体的なコース構造はありましたけど、今回はそれが本格的なアクション要素として組み込まれていて、壁面を垂直に走ったり、コースの端にあるレールを滑るように進んだりする場面が当たり前のように登場してきます。プレイヤーの操作にも新しい感覚が求められるし、視覚的なインパクトも相まって、これまでのシリーズにはなかった“動的な疾走感”が一気に高まっているんですね。

さらに、個人的に「これは面白いな」と思ったのが「リワインド機能」。これは、レース中にミスをしてしまったときに、ほんの数秒前の状態に巻き戻してやり直せるというものなんです。もちろん使い放題ではなく、条件付きにはなっているんですが、それでも一瞬の判断ミスが命取りになるレースの中で、この機能があると“もう一度挑戦できる余地”が生まれる。そのことで、操作に対する恐怖感が少しだけ薄れて、結果としてプレイの幅が広がっていく感覚があるんです。

そして、これらのアクションが単に“新しいから面白い”という話に留まっていないのが、今作のすごいところ。どのコースもそれらの新要素を前提に設計されていて、「壁を使えばショートカットできるけど、難易度は高い」とか「グラインドでスピードアップはできるけど、落ちるリスクもある」みたいに、戦略とテクニックが自然に求められる構造になってるんですね。つまり、ただ派手なだけじゃなく、ちゃんとプレイに深みを与えるための要素として機能しているということです。

これまでのマリオカートが「走って、アイテム使って、抜きつ抜かれつ」という構造の中で完成されていたなら、『ワールド』はそこに“選択と挑戦”という新たな軸を加えてきた。それによって、レースそのものがより能動的な遊びになっているんです。これが、今作を一度プレイしたら簡単には離れられなくなる理由のひとつになっていると思います。

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Nintendo Switch 2の性能をフル活用した美麗グラフィック

そしてここまで語ってきた新モードやアクションを支えている、もう一つの大きな要素。それが、Nintendo Switch 2という新ハードがもたらした“進化した表現力”なんです。実際にプレイしてみると、このグラフィックの進化が想像以上に効いていることに気づかされます。単にキレイになった、というレベルじゃないんですよ。

まず第一に、風景の情報量が段違いに濃いんです。草木の揺れや光の反射、地面のテクスチャの粒立ちといった細かい部分まで丁寧に描き込まれていて、レース中にも関わらず、つい背景に目を奪われてしまうこともあるくらい。しかも、それだけのビジュアルを描きながらも、動作は終始なめらかで安定している。ここがポイントで、ただ高精細なだけじゃなく、プレイ体験として“気持ちよく走れる”バランスがしっかり保たれてるんですね。

それから、コースごとの演出も非常に凝っていて、たとえば夜景のステージではリアルタイムに街の灯りが反射しながら変化していったり、砂漠のコースでは風に舞う砂ぼこりが立体的に再現されていたりと、視覚的な没入感がとにかく強い。これらはまさに、Switch 2のスペックあってこその演出だと思います。

また、レースだけでなく、フリーランモードのように“風景を楽しむ”ことが重要な場面でも、このグラフィックの進化が確実に活きてくるんです。広大なマップの端から端まで見渡したときの奥行き感、自然物の質感、空や水面の描写に至るまで、ただ走っているだけでもどこか旅をしているような気分になれる。この“ゲームの世界に入り込んでいる感覚”が、従来のマリオカートとは明らかに違う部分なんです。

特にSwitch 2のTVモードでのプレイは、そういったグラフィックの良さが一層際立つので、据え置き機として遊ぶ価値が一気に高まったな、と感じました。シリーズに慣れ親しんでいる人ほど、この変化には驚かされると思います。そして新規プレイヤーにとっても、この美しい映像体験はゲームの入口として強く心をつかむはずです。

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最大24人同時プレイ!マルチの楽しさが限界突破

ここまでで、ひとりでじっくり遊ぶモードや新たなアクションの楽しさをお伝えしてきましたが、『マリオカート ワールド』の真骨頂ともいえるのが、やはりマルチプレイの部分です。とくに今作では、最大で24人まで同時にレースできるようになっていて、この人数での対戦がもたらす熱狂は、想像していた以上のスケールでした。

というのも、これまでのマリオカートは最大でも12人対戦が限界でしたよね。そこから一気に倍増したことで、レースの展開はまさに“混沌”そのもの。コース自体もそれに合わせて広めに設計されているんですが、それでも開始直後のスタートダッシュの迫力だったり、アイテムが飛び交う中盤の騒がしさ、そしてゴール直前の熾烈なぶつかり合いなど、とにかく一瞬たりとも気が抜けないレースが毎回展開されるんです。

中でも印象的だったのが、Switch 2に搭載された新しいカメラ機能と連動する「顔認識オーバーレイ表示」。これ、どういうものかというと、マルチプレイ時にカートの上にプレイヤーの顔写真がリアルタイムで表示されるという仕組みで、自分が今誰と争ってるのかが一目でわかるようになってるんですね。その視覚的なインパクトもさることながら、表情が見えることで“対戦している感覚”が一段とリアルになるというか、妙な緊張感と盛り上がりが生まれるんですよ。

それに加えて、今作から正式に導入された「ゲームチャット機能」も非常に大きいです。オンライン対戦中にリアルタイムで声を交わせるので、たとえば「今のバナナ誰だよ!」みたいな笑いが自然と飛び交ったり、落とされた相手にその場でツッコミを入れられたりする。この一体感は、これまでのマリカでは味わえなかった部分で、まるでパーティーゲームのようなノリも同時に楽しめるようになっているのが面白いんです。

つまり、レースゲームとしての緊張感と、フレンドとの交流を通じた賑やかさが、今作では高いレベルで融合してるんですね。24人という大規模プレイが単に“人数の多さ”だけで終わらず、ちゃんと設計としての完成度を伴っていることが、マルチプレイの面白さを一段上の体験に仕上げてくれている。そう感じさせられる瞬間が、何度もありました。

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総まとめ:『マリオカート ワールド』は買いか?

ここまで、主に新モードや新アクション、グラフィック、マルチプレイの進化といった要素を中心に『マリオカート ワールド』の魅力を見てきましたが、あらためて一つにまとめると、この作品は“単なる新作”では収まりきらない完成度を持ったタイトルだということが、自然と伝わってくると思うんです。Switch 2という新ハードのポテンシャルを限界まで引き出しながら、マリオカートというシリーズの歴史にしっかりと新しい地平を切り開いてみせた。そんな一本に仕上がっている印象が強いです。

もちろん、何もかもが完璧というわけではなく、一部のレビューやプレイヤーの声では「隠しキャラの少なさ」や「エンドコンテンツの物足りなさ」といった指摘も見受けられました。ただ、そのあたりを含めてもなお、今作が“Switch 2というハードのローンチにふさわしい代表作”として、多くのユーザーに評価されている事実には揺るぎがありません。特に、従来のマリオカートが持っていた“カジュアルに楽しめるお祭り感”をしっかり残しながらも、レースの奥行きや戦略性、さらには没入感といったゲーム的な深みが、これほどまでに大きく広がったことに驚かされました。

そして何より印象的なのは、誰もが知るマリオカートというタイトルが、ここまで“進化”を感じさせる形で生まれ変わったという点です。シリーズ経験者なら間違いなく感動しますし、まったくの新規プレイヤーであっても、最初から親しみやすさと刺激のある体験が共存していることに驚くはず。そう考えると、この『マリオカート ワールド』は単なるリピーター向けの延長線上ではなく、“今こそマリオカートを始めるきっかけ”としても非常に理想的な作品だと思います。

Switch 2の購入を検討している人にとって、このタイトルはひとつの明確な決め手になる存在ですし、逆にこのゲームのために本体を買うという選択にも、確かな納得感があります。それだけの内容が、この『ワールド』には詰まっている。そんな作品でした。

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