【高評価4.77】同人コミック『ねぇ…お兄さんしませんか』徹底レビュー｜ろうか渾身の背徳姉妹ストーリー

物語は、主人公が久しぶりに彼女と再会する場面から始まります。再会の喜びと少しの緊張感が漂うなか、ふたりは自然な流れで距離を縮め、やがて濃密な時間を過ごすことになります。しかし、そこへ彼女の妹が姿を現し、予想もしない三人での関係へと物語は踏み込んでいきます。

この展開こそが、本作の大きな魅力のひとつです。姉と妹という血のつながりを持つ美人姉妹、それぞれ異なるタイプの色気を放ちながらも、共通して「読者の視線を奪う」存在感を持っています。姉は包み込むような優しさと成熟した色香を、妹は初々しさの中に秘めた積極性を見せつけ、ふたりの間で揺れ動く主人公の心理が、ページをめくる手を止めさせません。

しかも、この姉妹のキャラクター造形が実に巧みです。見た目だけではなく、表情の変化や仕草ひとつひとつに感情が宿っており、読者は「絵を見ている」という感覚を超えて、まるで目の前で生身の人間が動いているかのような臨場感を覚えます。そこに加わる背徳感と高揚感のバランスが絶妙で、ただ刺激的なだけでなく、物語としての引力を強くしています。

全体を通して、話の進行はテンポ良く、それでいて必要な間や情景描写はきっちり押さえられています。だからこそ、登場人物同士の距離感の変化や心の揺れが自然に伝わってきて、最後まで没入感が途切れないのです。