ついに登場したサークル「角煮煮」の最新作、『【時間停止】人間操作リモコン3【若返り】』。タイトルを見ただけでシリーズのファンなら胸が高鳴るはずです。前作から受け継がれてきた「人間操作リモコン」のコンセプトに、今回は新たな機能が追加されている点が大きな注目ポイントとなっています。シリーズを追ってきた方にとって待望の3作目であることは間違いなく、コミケ106(2025夏)の新作としても大きな話題を集めています。

物語の中核をなすのは、やはり人間の常識を揺るがす「人間操作リモコン」という存在です。今回新たに「時間停止」と「若返り(スキップ)」という機能が追加され、従来の作品以上に強烈な設定が広がっています。タイトルに掲げられたキーワードの通り、この二つの機能が物語の方向性を大きく変えていくのです。シリーズに初めて触れる方でも理解できる構成にはなっていますが、やはり1作目から読み進めることで細かな変化や積み重ねられたテーマがより深く味わえる構成となっています。
シリーズ3作目となる「人間操作リモコン」とは
『人間操作リモコン』シリーズは、これまでにも人の意志や行動を自在に操るという背徳的なテーマで注目を集めてきました。サークル角煮煮の作品群の中でも特に支持が厚く、読者の想像力を強烈に刺激してきたタイトルと言えます。その3作目にあたる今作『【時間停止】人間操作リモコン3【若返り】』は、単なる続編ではなく、これまで以上に踏み込んだ要素を加えて物語を展開している点が大きな特徴です。

全38ページという中で、時間を止める力と年齢を自由に操作できる力が絡み合い、既存の常識を鮮やかに覆す展開が描かれていきます。もちろんタイトルに「3」とある通りシリーズを重ねてきた作品ではありますが、物語の仕立て方は初めて触れる読者でも理解できるよう工夫されており、1冊だけでも十分に楽しめる内容です。それでも過去作を知っている方にとっては、新機能の追加によって広がる世界観の変化を一層深く味わえるのが魅力と言えるでしょう。
時間を止め、年齢を操る――進化したリモコンの正体
今作の大きな魅力は、やはり「人間操作リモコン」に搭載された新機能にあります。これまでにも人の意思や行動を自在に操るという危うい設定で物語を引き立ててきましたが、今回はそれだけにとどまらず、時間そのものを止める力と対象の年齢を操作する若返りの仕組みが加わりました。停止とスキップ、この二つの要素が組み合わさることで、物語の可能性は一気に広がり、読者の想像を軽々と越えていくのです。

「停止」という機能は、その名の通り周囲の時間を止めるもの。動きを封じられた世界で登場人物たちがどう振る舞うのか、その静止した一瞬に潜む緊張感が作品全体に強いインパクトを与えています。一方で「スキップ」は、対象の年齢を一年単位で操作できるというもの。いわば人生の時の流れを自由に操る行為であり、常識を根底から覆すだけでなく、物語に深い背徳感と新鮮さをもたらしています。二つの機能が織りなす展開は、単なる刺激的な仕掛けにとどまらず、人の時間や存在そのものをテーマにした濃密な物語体験へと繋がっているのです。
シリーズの積み重ねが生む深みと3作目の魅力
『人間操作リモコン』は、初作から一貫して“人の常識を覆すリモコン”という強烈な発想で読者を惹きつけてきました。シリーズを重ねるごとにその設定は深化し、物語に厚みが増していったのが印象的です。今回の第3作は単独でも理解できるように作られているため、新規の読者でも迷うことなく物語に入り込めます。しかし、1作目から順を追って読んできた方にとっては、新機能が追加されることで見えてくるシリーズ全体の変化や、設定の広がりをより濃密に体感できるはずです。

前作までは「人を操作する」という一方向の力が中心でしたが、今作で提示された「時間停止」と「若返り」は、その枠を一気に飛び越える存在です。シリーズを知っていると、同じリモコンというモチーフがどのように進化していったのか、その積み重ねが手に取るようにわかり、物語の奥行きをより深く味わえます。初めて手にする人には背徳感とインパクトを、これまで追ってきた人には“集大成へと続く道筋”を感じさせるのが今作の大きな魅力と言えます。