物語は冒頭から大きな転換点を迎えます。寮の管理人であるわたりんが、実はギャル三人とそれぞれ肉体関係を持っていたという事実が、ついに全員に知られてしまうのです。「お姉ちゃんとだけじゃなくて、ゆっきーとも！？」と驚きと怒りをぶつけられ、さらに「春とそういう関係だったのは知ってたけど、瑞穂ともだなんて…」と詰め寄られる場面は、読者に強烈な緊張感を与えます。ここに至るまで秘密として保たれていた関係性が一気に露わになり、シリーズ全体を通しても大きな山場といえるでしょう。
動揺した春は部屋を飛び出し、渉（わたりん）が必死に後を追う展開が続きます。海辺で彼女を見つけるシーンでは、「三人の中で一番は誰なの？」という核心を突く問いかけが投げかけられます。この一言が、わたりんを究極の選択へと追い詰めると同時に、読者に強い興味を抱かせます。
しかし、二人の間で真剣な会話が交わされる最中、もう二人のヒロイン――幸奈と瑞穂が現れ、事態はさらに複雑さを増していきます。ここから一体どう収束するのか、先を急ぎたくなるような展開で物語は加速していきます。
修羅場から一転！？ギャルたちの“独り占め禁止”宣言
海辺で春に突きつけられた問い――「三人の中で一番は誰なの？」という言葉は、わたりんにとって逃げ場のない試練となります。読者としても、この場面で彼が誰を選ぶのか強く気になってしまう瞬間です。しかし、物語はそこで単純に答えを出さず、さらに意外な展開を用意しています。
彼を追ってきた幸奈と瑞穂が現れ、三人の視線が一斉にわたりんに注がれる緊迫感の中で、幸奈が口を開きます。その言葉は、読者にとっても思いがけないものでした。「わたりんは寮に必要だからシェアすればいいじゃん♥」という大胆すぎる提案が飛び出すのです。普通なら修羅場になるはずの状況が、一転して新しいルールの誕生へと変わっていく。そこにあるのはギャル特有の奔放さと、わたりんへの強い執着が見事に重なった瞬間です。
「今日から独り占め禁止ね！」と宣言されるシーンは、これまでのすれ違いや衝突を一気にハーレムへの布石へと変えていきます。修羅場から甘美な共有の提案へと変わる流れは、シリーズを追いかけてきた読者にとっても待ち望んだご褒美のように感じられるはずです。
ついに始まる禁断のハーレムナイト
独り占め禁止という新ルールが宣言された瞬間から、物語は一気に熱を帯びていきます。これまでの関係を隠していた緊張感や衝突が嘘のように、三人のギャルたちが同じ舞台に立ち、わたりんを取り囲む展開へと突入していくのです。シリーズを追ってきた読者が待ち望んでいた“ハーレムの始まり”が、ようやく形になる場面に胸が高鳴ります。
ベッドに集まった彼女たちは、最初こそシェアする気持ちを口にしていましたが、次第に独占欲が顔を出し始めます。誰が先に抱かれるのか、誰が一番多く愛されるのか。甘美な約束の裏側で、三人がわたりんを奪い合うように求めていく姿が描かれていきます。読者にとっては、それぞれのキャラクターの欲望と愛情が交錯するこの展開がたまらなく刺激的に映るはずです。
そして描かれるのは、圧倒的な密度を持った濃厚な夜のシーン。大ゴマで描かれる迫力ある場面は、三人同時だからこそ生まれる混沌とした快楽を鮮烈に伝えてきます。互いに競い合いながらも、結局は全員がわたりんを欲しているという事実が、強烈な一体感を伴って読み手の心を揺さぶります。
最高のご褒美回、そして波乱の幕開け
しかし、物語はそこで終わりません。旅行から戻った矢先、寮が解体されるかもしれないという新たな問題が持ち上がります。せっかく成立したハーレム関係が揺らぐ可能性を残したまま幕を閉じる構成は、次巻への期待をいやが上にも高めてくれます。
快楽の絶頂と未来への不安を巧みに織り交ぜたこの巻は、まさにシリーズの分岐点にふさわしい一冊となっています。
