※評価は管理人の主観によるものです。
どじろー先生が描く人気シリーズ「処女が童貞との初体験で目覚めちゃう話」。その外伝にあたる『3.5』が、ついに登場しました。これまでのシリーズ本編を読んできた人にとっては、二人のその後を覗き見るような特別編として楽しめる内容になっています。

舞台となるのは、無事に同じ大学へ進学した「かな」と「アキ」の日常。恋人同士の関係が自然なものとして描かれる中で、当たり前のように営まれるセックスが中心となって展開します。けれど、そこに小さなすれ違いが生まれてしまい、一瞬の緊張感を漂わせる。そんな微妙な距離感を背景にした「仲直りセックス」こそが、この外伝の最大の魅力です。
シリーズ本編を追ってきた人はもちろん、外伝から触れても純粋に楽しめるように作られているのもポイントです。二人の成長や距離感が少し大人びて見える描写は、これまでの流れを知る読者にとっても嬉しい補完になるはずです。
同じ大学で始まる新生活――日常に溶け込む二人の恋とセックス
『3.5』では、高校を経て大学に進学した「かな」と「アキ」の姿が描かれています。二人は同じ大学に通うことで、これまで以上に一緒に過ごす時間が自然と増えています。講義帰りに立ち寄るカフェや、サークル活動の合間に見せる笑顔など、日常のシーンがほんのりとした温かさをもって描写され、その中に二人の恋人関係が溶け込んでいるのが印象的なんです。

大学生活という新しい環境は、刺激と同時に小さな摩擦も生み出します。ちょっとした意見の食い違いや、言葉にしきれない不安から雰囲気が重くなる瞬間もある。『3.5』では、そうした現実的な空気が描かれることで、キャラクターの感情が生き生きと伝わってくるんです。彼らの関係は、ただ甘いだけではなく、すれ違いも含めて本物の恋人同士らしさを持っています。
すれ違いから始まる沈黙の夜――喧嘩後に見せる仲直りのセックス描写
恋人同士にとって、どんなに仲が良くても小さなすれ違いは避けられません。『3.5』でも、ほんの些細なことで「かな」と「アキ」の間に火花が散る瞬間があります。お互いに意地を張ってしまう空気や、言葉にしきれない苛立ちが描かれていて、読んでいるこちらも「ああ、恋人ってこういうことあるよな」と思わず共感してしまうんです。

ただ、作品の魅力はその後の展開にあります。口では素直になれなくても、身体を通して気持ちを確かめ合う二人。沈黙の中で視線が交わり、触れ合いへと変わっていく流れは、とても自然でリアル。喧嘩の延長のような緊張感と、恋人同士ならではの信頼感が入り混じった雰囲気が、行為そのものを一段と濃密にしているんです。

仲直りのセックスというと、強引さや激しさが強調されがちですが、『3.5』ではそこに温かさや優しさが同居しています。互いに不安を抱えながらも、言葉ではなく抱擁やキスで想いを伝える姿は、甘さと切なさが同時に響いてくるようで、まさに「リアルな恋人の関係」を体感できるシーンといえます。
少し大人になった恋人たち――『3.5』が描くリアルで甘い純愛世界
『処女が童貞との初体験で目覚めちゃう話3.5』は、単なる番外編にとどまらず、二人の関係の「現在」を丁寧に切り取った特別な一作です。高校時代の初々しい恋から一歩進み、大学生という新たな環境で少しずつ大人の関係性を築いていく。その中で生まれる不安や喧嘩、そして無言での仲直り。そこに描かれるのは、誰もが共感できる恋愛のリアリティなんです。

エロティックな描写はもちろん充実していますが、単なる刺激に終わらず、二人の気持ちの繋がりをさらに濃く映し出しています。ストッキング越しの肌の温もりや、後背位で交わされる無言のやり取り、息遣いが交差する瞬間。そうした描写が「純愛」と「エロス」を見事に融合させ、読者に強い余韻を残します。

外伝という位置づけながら、本編を追ってきた人には確かな満足感を与え、初めて読む人には恋人同士のリアルな関係性を味わえる入口となる。『3.5』はその両方を兼ね備えた一冊です。少し大人になった「かな」と「アキ」の姿に触れることで、シリーズ全体の深みをさらに感じられるはずですし、これから先の物語にも期待が膨らむ内容になっています。