「これはただの食事だからっ!」は、2024年夏のコミケ104で発表された、だにまる先生によるオリジナル同人コミックです。全51ページという程よいボリュームの中に、学園を舞台にしたサキュバスと人間の関係がぎゅっと詰め込まれていて、ただのエロ漫画にとどまらない魅力を放っています。

舞台となるのは、サキュバスと人間がごく自然に共存している社会。主人公の「夢乃舞夜」はクールで冷静なタイプのサキュバスで、雑なセックスを嫌っており、発情期以外は特定の相手を持たない生き方をしていました。一方で彼女の友人である千花は、いつでも誰とでも気軽に“食事(セックス)”を楽しむタイプのサキュバスで、その対比が物語の冒頭から強く印象づけられます。
“ただの食事”が恋に変わる瞬間──物語の核心に迫る
物語の中心となるのは、サキュバスと人間が当たり前のように共存している世界です。その中で、夢乃舞夜という少女は他のサキュバスたちと違い、雑に扱われる関係を嫌い、発情期の時だけ限定的に“食事”をとるスタイルを選んでいました。これは単なる気まぐれではなく、彼女自身のプライドや価値観に根付いた生き方であり、そのクールな姿勢が読者に強い印象を残します。

そんな舞夜の生活を大きく揺さぶるのが、クラスの地味で目立たない男子・飯島からの告白です。普段なら軽く受け流してしまいそうな状況ですが、舞夜は「発情期の食事相手」として彼を受け入れることにしました。最初は事務的で感情を挟まない行為のつもりだったのに、実際に身体を重ねると驚くほど相性が良く、その心地よさに舞夜自身が戸惑っていく流れになっていきます。
夢乃舞夜と飯島、そして千花──個性豊かなキャラクターたちの魅力
本作を語るうえで外せないのが、ヒロインである夢乃舞夜です。彼女はサキュバスという存在でありながら、軽薄な関係を嫌い、あえて“固定の相手を持たない”という選択をしています。この姿勢がクールで凛とした印象を生み出していて、同じサキュバスである千花の奔放さと見事な対比を成しているんです。舞夜の冷静さは単なる気難しさではなく、自分自身の生き方を貫こうとする強さであり、その真っ直ぐさが読者の共感を呼んでいます。

一方で、彼女の相手となる飯島は学園の中で特に目立たない陰キャ男子。そんな彼が舞夜に告白するという行動に出た瞬間、物語が動き始めます。普段なら断られるような相手なのに、舞夜は発情期を理由に受け入れてしまう。ここでの飯島の存在は“ただの食事相手”のはずだったのに、行為を重ねるうちに彼の誠実さや健気さが際立ち、舞夜の心を揺さぶる存在へと変わっていくんです。

彼の不器用さが逆に愛おしさを生み出していて、読者にとっても自然に感情移入できるキャラクターになっています。
クールなサキュバスが蕩ける瞬間、圧倒的エロスの描写
この作品の大きな魅力は、やはりエロシーンの描写に凝縮されています。舞夜は普段クールで冷静な態度を崩さないキャラクターですが、いざベッドの上に立つとそのギャップが一気に表に出るんです。最初は「食事だから」と割り切ろうとするものの、行為が進むにつれて体が素直に反応してしまい、態度と本能が噛み合わなくなっていく。そのツンとした表情と、行為中に蕩けていく姿のコントラストは読者を強く惹きつけます。

そして、だにまる先生の持ち味である肉感的な描写は今回も健在です。胸の柔らかさや太もものむっちり感、背中やお腹に浮かぶラインまで余すことなく描かれていて、ただ見ているだけでも体温が上がるような迫力があります。レビューの中には「パンツを脱いで準備してから読むべき」と書かれていたものもありましたが、それも納得できるほどの“抜き度”を誇っているんです。

さらに物語が進むと、サキュバスらしいコスチュームプレイや、バニー衣装といった遊び心のあるシーンも盛り込まれています。単なる性的な刺激だけではなく、読者を楽しませようという工夫が随所に見られるので、最後まで飽きずに読み進められる仕上がりになっているんです。こうした丁寧なサービス精神が、作品全体の評価を底上げしている要因の一つでもあります。
読者が絶賛する理由はどこにある?レビューと評価を徹底分析
読者から寄せられた感想を振り返ると、この作品が高い評価を集めている理由が自然と見えてきます。実際、平均評価は驚異の4.98とほぼ満点に近い数字で、レビュー欄には「可愛い」「抜ける」「続編希望」といった熱量のある声が並んでいました。単純にエロシーンの出来が素晴らしいだけでなく、ヒロインの舞夜が見せるツンデレ的なギャップや、飯島の健気さに心を動かされたという意見が多いのが特徴的です。

また、肉感的な描写に対する絶賛はもちろんのこと、読み終えた後に「爽やかさすら感じた」という感想が出ている点も見逃せません。サキュバスものというジャンルにありがちな重苦しさや一方的な凌辱展開ではなく、あくまで“相性の良さ”から生まれる関係性に焦点を当てたからこそ、読者が心地よい読後感を得られているんです。さらに「続編をぜひ」と願う声が数多く見られるのも、この物語が単発作品に収まらず、まだまだ先を読みたくなるポテンシャルを秘めている証拠だといえます。
食事以上のつながりへ──『これはただの食事だからっ!』が残す余韻
読み進めていくと、タイトルの「ただの食事」という言葉がどれほど象徴的かに気づかされます。サキュバスにとって人間との性行為は生存のための“食事”に過ぎないはずなのに、舞夜と飯島の関係は次第にその枠を越えていきました。最初は淡々としたやり取りだったものが、相性の良さや心の揺れ動きによって、ただの営みから恋愛へと変化していく。この過程があるからこそ、読者は「食事以上のもの」を感じ取り、物語に引き込まれていくんです。

総合的に見ると、「これはただの食事だからっ!」はイチャラブとエロスを巧みに融合させた、完成度の高いサキュバス学園物語です。平均評価がほぼ満点に近いのも納得の出来栄えで、続編を望む声が数多く寄せられているのも当然の流れだといえます。単発で終わらせるには惜しいほどの余白を残しつつ、1冊で強烈な満足感を味わわせてくれる一作。タイトルに込められた皮肉めいたニュアンスを噛みしめながら、ぜひその世界観に浸ってみてほしい作品です。
※評価は管理人の主観によるものです。