緝美先輩が尊すぎる…！『途切れたページの向こう側』収録『雪ふって、恋かたまる』レビュー

本作『雪ふって、恋かたまる』は、作者・波乗かもめ先生の“エモとかわいさ”が凝縮された珠玉の短編集です。特に表紙を飾る緝美先輩との三年間の恋模様を描く『途切れたページの向こう側』は、思わず胸がぎゅっと締めつけられるほど丁寧な心情描写が光ります。
読者レビューでも「キャラが健気で可愛い」「純愛の説得力がすごい」と高く評価されており、甘さと切なさのバランスが絶妙です。さらに特装版ならではの描き下ろしの後日談が読めるため、作品世界により深く浸れる構成になっています。

本作の大きな魅力は、波乗かもめ先生の圧倒的な画力によって描かれる“表情の豊かさ”です。キャラクターの一瞬の戸惑い、嬉しさ、切なさといった細やかな感情が、目線や頬の赤らみなどの繊細な描写で表現されています。特に純愛を軸にした物語が多いため、些細な感情の揺れがそのまま読者の気持ちに響き、ページを捲るたびにキャラクターへの愛着が深まっていきます。レビューでも「感情に説得力がある」「イラストレーター出身だからこその表現力」と評価されており、登場人物の心に寄り添うような絵柄が作品全体を特別なものにしています。

『雪ふって、恋かたまる』に収録されている作品群は、ただ甘いだけの恋物語ではありません。互いを思いながらもすれ違ってしまう切なさ、誤解や距離による静かな痛みが物語の中で丁寧に積み重ねられています。特に『途切れたページの向こう側』では、再会によって一気に感情が溢れ出す瞬間が描かれ、読者の心を強く揺さぶります。すれ違いを乗り越えて結ばれる過程に納得感があるため、読み終えた後には“甘さがより濃く感じられる”独特の読後感が残ります。純愛系作品が好きな方にとって、本作の構成は間違いなく刺さるはずです。

デジタル特装版には、本編ファンなら絶対に読んでおきたい描き下ろし後日談が収録されています。『途切れたページの向こう側 -アペンドページ-』では、本編では語られなかった二人のその後が描かれ、読者の“もっと知りたい”気持ちをしっかり満たしてくれます。また『青空は夜に咲く -間-』など、既存作品の補完エピソードも収録されており、キャラクターへ一層深く感情移入できる構造になっています。レビューでも「後日談が充実している」「買ってよかった」と評価されており、特装版ならではの価値がしっかり感じられる内容です。